• PROJECT / 04企業のコミュニケーションを活性化させる

    法人旅行

    成績優秀なセールスマンを集めた海外旅行、売り上げの高い販売会社の社長家族を温泉旅行にご招待…などなど。これらはインセンティブツアーと呼ばれる旅行の一形態だ。社員や協力会社のモチベーションを上げるために企業が実施するもので、賞品や賞金といった即物的な報奨ではなく、旅行に行くことで成果に報いるという洗練されたやり方が受け、業績向上に活用する企業が増えてきている。
    それだけに、単なる旅行にはない印象に残るイベントのアイディアや魅力的な行程など、高いレベルの企画力が要求される分野でもある。

    2年に一度行われるある大手住宅関連会社の協力会社を対象にした販売キャンペーン。その一環として行われるインセンティブツアーを、東武トップツアーズは過去10年間にわたり受注してきた。今回はお客様の要請により総勢3000名の参加者をいままで行ったことのない場所への日帰り旅行にご招待するというミッションだ。

    これだけの人数が関東近郊で日帰りできる、テーマパーク、アイスショーなどのスポットを提案し、ランチも楽しんでもらうという大規模な企画にどう挑んでいるのか.進行中のプロジェクトを追った。

  • 決定を待って手配するのでは遅い

    「まだ最終的な決定には至っていないのですが、現在、ほぼツアーの概要が決まった段階です(森林)」と、東京法人東事業部の森林は慎重な面持ちで語る。メインの観光スポットは決まったものの、交通手段、ランチ会場など手配すべき事柄はまだまだたくさんあるからだ。

    「ご決定を待たずに、とにかく押さえられるところはすべて押さえました。実施の時期から逆算すると、もう遅いくらいです」と森林。ここでなにか手配できない部分があると、あっという間に他社が参入してきて、相見積もりとなる。もう任せてもらえない可能性すらあると熟知しているのだ。

    3000名という規模は15年にわたる森林のキャリアの中でも上位に位置する大規模なもの。それだけに慎重になるのだが、実際にはそこまで心配はしていないという。「いままでお客様との間で培ってきた人間関係がありますから、うちができませんといわない限り他社に声をかけるということはないと思いますね」と、頼もしい言葉。そして実際にいままでも相見積もりではなく、単独で受注を続けてきた。それが誇りだ。

  • お互いにフラットな
    Win-Winの関係

    ひとくちに「顧客との良好な人間関係構築」というが、それはどのようなものだろう。
    「それはWin-Winになれる対等な関係ということではないでしょうか」と森林は考える。もちろん顧客と営業では立場が異なるので対等ということはあり得ない。しかし、顧客が一方的に要求をして、営業がそれを丸呑みにする、という関係でいいわけではない。

    「やはり良好な関係が構築できたお客様はコスト面だけで提案を見ないですね。こちらにもある程度の利益が得られるように提案をのんでくださいます」という森林。インセンティブツアーは付加価値を付けやすい事業だとも言う。

    「社員旅行などですとがちがちに予算ありきなことが多いのですが、インセンティブの場合は、もう少し予算を上げて良いホテルに泊まりましょう、とかもうワンランクアップしたイベントはいかがですか?などの提案が通りやすいのです」。確かに、報奨であるインセンティブツアーの予算を渋っていたのではモチベーションを上げることはできない。

  • すべての企業が顧客になりうる

    顧客との関係構築のために森林が心がけているのは「顧客と同じ方向を向く」ということ。
    「とにかく最初のお客様のツアーには必ず添乗することにしています」と断言する森林が、添乗して顧客と一緒にすることは「お客様のお客様をおもてなしすること」だ。

    社員であれ協力会社であれ、招待した側である顧客は森林とともにおもてなしする立場となる。そこで一緒になって接待側として汗を流すことで一体感が生まれ、「もてなす」という同じ方向を向く。だから「一度添乗すると、その後続いて指名して頂けるということが多いですね」と森林はいう。
    こうして蓄積した実績と信頼で、いまではその大手住宅関連会社の協力会社からも仕事を受注している。インセンティブツアーでの仕事ぶりを買われ、招待客である協力会社の旅行を任されているのだ。

    「100%の提案というのはありません。常にもっといいアイディア、創意工夫に富んだ企画をどん欲に提案し続けていくことでもっとお客様は増えていくと思います。インセンティブツアーというのは、企業のコミュニケーションを活性化させて業績向上に貢献するという意味で、この世にあるあらゆる会社が顧客になり得る事業ですから」と確信を持って語る森林。今回のツアーも大成功に導くに違いない。

  • Profile

    東京法人東事業部では、大まかにいうとお客様の業種に合わせて営業部が分かれています。私の所属している部は住宅関連のお客様が多く、企業名が出せないのが残念ですがテレビコマーシャルでよく見るような有名企業もあり、そういったお客様からご指名を頂くとやりがいを感じますね。とにかく自分で企画した旅行をご提案して実際に添乗して現地に行けるわけですから、旅行好きの自分にとって天職だと思っています。

    PROFILE
    森林 剛 / Tsuyoshi Moribayashi
    2001年入社
    東京法人東事業部
    第一営業部 アシスタントマネージャー
    入社してすぐに1000名規模のツアーに携わったことがあるのですが、その時はびびりましたね。とにかく先輩に教わりながら見よう見まねでやった感じです。でも、それを一度経験してしまうと2000名でも3000名でも同じ。規模に関係なくきめ細かい仕事を心がけています。