• PROJECT / 01「一緒に楽しむ」という学び方

    修学旅行

    東武トップツアーズは幼稚園や小学校から大学などのあらゆる教育機関を対象に、遠足や海外交流、各種の体験授業など学校教育に関するさまざまな旅行企画を提供しているが、中でも修学旅行は誰もが真っ先に思い浮かべる教育旅行であり、もっとも思い出に残る大切な学校行事として力を入れている。
    長い歴史があり、親しまれてきた修学旅行も、近年は急速に進む価値観の多様化やグローバル化の影響で、その役割や行き先が大きく変化してきている。
    東京教育旅行支店では、そうした時代の変化や学校、生徒、保護者の要望に応じた教育効果の高いオリジナル企画を提案するため、全国一系組織による情報共有を活かし、社員それぞれの経験と知識を連携させながら、一体となって事業に取り組んでいる。

    毎年400人前後の生徒が参加するある私立高校の修学旅行。行き先は毎年沖縄と決まっていて、ここ数年、単年度ごとの入札案件となっていた。
    落札できたりできなかったりを繰り返して迎えた2014年、競合5社に競り勝って落札を勝ち取った東京教育旅行支店係長の市川は、添乗した修学旅行先で担当の教師から、最近の修学旅行に対する不満を聞く。
    それは毎年沖縄という行き先の陳腐化と高額化に対するものだった。
    ここから、オリジナル企画の提案でこの課題を解決するという市川の挑戦がはじまった。

  • 顧客の不満こそ営業のチャンス

    修学旅行への添乗中に担当教師から「毎年恒例になっている沖縄本島への修学旅行は、もうマンネリ化している」「しかもコストも高くなっている」という不満の声を市川が聞いたのは2014年3月。
    顧客から直接不満が聞けるのは営業担当としてはチャンスだ。市川は東京に戻るとすぐにその教師の元に足を運び、さまざまな要望を聞き出し始める。
    「その学校は入社2年目から担当させて頂いていて、用事がなくても週1〜2回は顔を出すようにしていました。それまでの人間関係があったので要望を聞くというより、先生から修学旅行に関するいろいろな相談を受ける、という感じでしたね」という市川。普段の丹念な営業活動が活きたのだ。

    要望が詳細にわかれば的を射た提案ができる。市川はすぐにモデルコースを作り上げ、学校に提出する。それは好評で受け入れられ、早くも5月には採用が決定した。

    「私がご提案したのは沖縄本島を中心に、石垣島で4コースのアクティビティをセットしたものと、別のコースとして台湾に行くというものでした」
    4つもアクティビティを増やし、しかも台湾へのコースも用意するということはコスト増につながらないのか?
    「そうですね、実際には今までよりコストがかかるのですが、マンネリ化を防げるという要素の方を受け入れて頂き、契約することができました」と語る市川。しかも単年契約ではなく、複数年契約を結ぶことにも成功する。

  • 安定したマンネリより、
    困難でも新たな展開を

    一見順調に進んだ契約のようだが、思わぬ障害もあったという。

    「マンネリ化するということは安定しているということでもあるので、行き先を変えることに対する抵抗はかなりありましたね」と市川。行き先が変わることで毎年同じ行程でよかったものが変わる。「今度のコースは分かりにくい」「なぜ変える必要があるのか」という声が担当教師に多く届いたというが、それは丁寧な説明で乗り越えた。

    「それよりも大変だったのは『しおり』作りでした。これは生徒が中心になって作っていたのですが、毎年、先輩たちがやっていた通りにやれば簡単に作れていたのに、コースが増えて複雑になり、しかも海外の台湾という新しい行き先が加わったために、完全に生徒がギブアップしました」。結局、生徒達に代わり市川がほとんど一人で『しおり』を作成することになる。

    こうした障害をひとつひとつ乗り越えて、ついに2015年3月、新たなコースでの修学旅行が実施された。

  • 支店を上げての連携で高評価を獲得

    沖縄と台湾は同じ日程で、沖縄には350人程度の生徒が参加し、台湾には50名程度の参加だ。市川は両方に行くということもできないので沖縄に添乗する。台湾は同僚に添乗を任せた。
    「台湾のことがすごく心配でしたので、毎日頻繁に連絡を取りあってましたね」と振り返る市川。しかも同時期に市川が手配していたスキー教室も重なり、そちらの添乗も誰かに担当してもらわねばならない。しかし、繁忙期は重なるもの。こういうときは所属課に関係なく全支店でバックアップしあうという東武トップツアーズの強みを遺憾なく発揮して無事乗り切ることができた。

    「おかげさまで新しいコースはものすごく好評で、生徒はもちろん先生方にも喜んで頂けました」。学校が生徒と教師に実施したアンケートの結果は90%が「満足した」「楽しかった」「感動した」というもの。非常に高い評価だ。

    「この仕事をしていると、直接楽しかったといわれるのもうれしいのですが、帰ってからお礼の手紙を頂いたり、色紙に寄せ書きが届いたりすると、本当にやりがいを感じることができる宝物になりますね」と色紙を手にうれしそうに語る市川。
    さあ、これで複数年契約の最初の滑り出しは上々。そしてプロジェクトは…

    …to be continued.

  • Profile

    小学校4年から大学4年までずっとノルディックスキーをやっていました。日本代表として世界大会に参加したこともあり、そういう意味では学生の時から遠征や合宿で旅行を繰り返していたともいえますね。ですから現在でもスキー教室の添乗は楽しみですし、企画にも気合いが入ります。ちなみに世界大会では8位でしたが、日本では全国1位になったこともあります。

    PROFILE
    市川 智也 / Ichikawa Tomoya
    2009年入社
    東京教育旅行支店
    係長
    生徒達とも先生方とも、「一緒になって学んでいこう」という気持ちで、修学旅行を企画しています。
    そんな私が生徒達から「サバンナ」とか、最近は「高橋」とか呼ばれていることは内緒にしておいてください。